2025年2月、代々木上原に面白そうな焼鳥店がオープンしました!

店主は神田の人気店「鳥のかけ橋」出身。
この「鳥のかけ橋」は炭火焼鳥のクオリティが高い割にかなりリーズナブル。
あくまで著者の体感ですが、都内でU-1万円でクオリティとハイコスパを兼ね備えた焼鳥店を探すと結構な確率で、大塚の「蒼天」や「鳥恵」、「鳥のかけ橋」の系統の出身者の店に当たる気がします。

店の場所は代々木上原駅南口から徒歩3分。
「焼鳥 弥栄」の僅か50m先には鳥羽周作シェフのミシュラン店として著名な「Sio」があります。

店内は落ち着いた「大人の空間」といった雰囲気ですが、一方でドレスコード要といった敷居の高さは特に感じさせません。
店主はじめ店の従業員と客の距離感も固すぎず気配り上手。かといってフランクになり過ぎずで適切。
常連客:「何か余って困ってる食材あれば注文して食べるよ。」
店の方:「いやいや、そんなワケには(笑)」
と、気持ちのよい冗談が飛び交う。
価格帯も雰囲気も「大衆焼鳥以上、高級焼鳥未満」で、師匠である「鳥のかけ橋」と似た使用感に感じます。
「焼鳥 弥栄」で注文したもの
・弥栄おまかせ ¥6200
・はつ(追加串)¥ 390
・瓶ビール ¥ 850
・日本酒 ¥ 850~

季節の冷菜盛り合わせ

・大根の甘酢漬け
・もずく
・イチゴの白和え
・パプリカの焼き物
・蕪の浅漬け
・香の物
見た目も非常に綺麗ですね~

沖縄出身の店主の叔父様が漁師らしく、そちらから仕入れたという“もずく”
何気に“もずく”好きの著者も納得のプチプチした歯ざわりと爽やかな酢の酸味感。

イチゴの果汁感とさっぱりした白和えフュージョン。

パプリカも野菜の瑞々しさを残しつつ、炭火焼の香ばしさを両立。焼きの技術の高さを感じさせますね。

食用菊で飾られた蕪も綺麗。
ささみ


噛むと横方向に走る肉の繊維質が感じられる「ささみ」。
淡泊ではあるものの、水分を残したジューシーな舌ざわりに対して、溶けた塩と山葵のピリリ感がアクセントに。
だきみ


見た目に反して皮目は噛むと「パリッ」ではなく「ホワッ」とした柔和なニュアンス。
鶏のうま味の強さを柚子胡椒でバランスが取られているように感じる。
砂肝


火通しがよく噛むと「ジャキジャキ」とした、力強い弾力感を感じる。
キリッとした粗塩と主張強めの風味がよく合う。
肉団子

すまし汁のような清湯系スープ仕立て。
ホワホワと口の中で解けてとろける柔らかさ。アッサリした味わいの汁だからこそ、鶏肉の細部の風味豊かさや白葱の薬味感が感じやすい。
鴨つくね


こちらは鴨肉でタレ焼きとなっています。
軟骨などは入れずにたたいた肉のストレートな食感で勝負。鴨肉ならではの豊かな脂の甘味とゴロゴロと粗挽き肉の噛み応えを感じられます。
タレは甘辛味ですが後味に嫌味がなくスッキリとした造りになっていました。
茶碗蒸し

非常にユニークで印象的だったのは「茶碗蒸し」。
なんと具に鶏皮が入ってます!こういう茶碗蒸しは初めて食べますね。
トロトロとした舌ざわりの茶碗蒸しに、プリプリとした鶏皮の組み合わせ。鶏皮は軽くタレ焼きになっており、甘辛さと“あおさ”の磯の香り、玉子の風味が口の中で合わさります。
茄子


焼き目も美しい「茄子」。香ばしさと茄子の果肉感を両立。
この店、前菜の「パプリカの焼き物」もそうですが、野菜を焼くのも非常に上手な印象です。
手羽


すごく巨大な手羽!骨は予め外されており、
指を低温やけどする心配がありません(笑)
カリッとした皮表面、それに対比するようなジューシーな脂感のある内側の肉質。
ポーションが大きく食べ応えも抜群ですね。
はつ(コース外で追加)


コース外で「はつ」を追加。ぷりっとした歯を押し戻すような弾力感と、ジワッとした脂感ともなう旨味。
キリッとした塩のバランス感が好印象だ。
〆のラーメン

この価格帯のコースながら〆のラーメンもインクルーシブなのが素晴らしい。

スープは白湯(パイタン)ではなく、
店主曰く「白湯みたいな清湯(チンタン)」との事。
…ちょっと衝撃的だったのは、スープ表面がカプチーノのようなホワホワした泡で覆われている事。
関西地方(主に京阪神)では2010年代から流行した“泡系ラーメン”と呼ばれるジャンルがある(博多の泡系ラーメンとは別物。)
まさかの関西の泡系を彷彿とさせるビジュアル!これが東京のしかも焼鳥店の〆で食べられるのは個人的にかなり驚きですね。
味は塩味(えんみ)控えめでクリーミーかつ純朴な鶏の風味をそのまま活かした味わい。

麺の製造元は不明。中細のストレート麺でやや芯を残したポツポツとした歯切れ感が特徴的。
〆に至るまでハイクオリティですね。
本日の日本酒

鳳凰美田 純米大吟醸

農尚彦研究所 観音下 無濾過生原酒


義侠 縁 特別純米
琥珀色の熟成酒。ファーストタッチは紹興酒に似たコクと甘味、途中からは程よい辛味ともなうキレが追い上げてくる感じ。
あとがき
以上、「焼鳥 弥栄」でした!
使っている鶏の銘柄を聞き忘れるという痛恨のミスをしちゃいましたが(汗)、前菜から〆まで手の込んだ丁寧な炭火焼鳥が6000円台かつ雰囲気の良さも魅力的な店。
前述の通り価格面や雰囲気など神田「鳥のかけ橋」に近い使用感でしたので、同店がお気に入りの方にはバッチリはまるかと思います。
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