
個人的に都内でも推している蕎麦が『千寿 竹やぶ』。
その名の通り江戸3大蕎麦「藪」に連なる店で1974年に千住大橋の近くに創業。2代目店主の中村充氏が『春風荘』『竹やぶ』『竹やぶ恵比寿店』といった数々の名店で研鑽を積み、現在では食べログにおいて7度に渡り蕎麦百名店に選出される有名店となっている。
『竹やぶ』といえば柏の手賀沼湖畔に佇む蕎麦好きの間に知られた名店で、創業者の阿部孝雄氏は石臼挽き自家製粉の手打ち蕎麦のスタイルを確立し、現代の蕎麦打ちに多大な影響を与えた蕎麦界のパイオニア。同店からは表参道の『玉笑』や、亀有の『やざ和』、落合南長崎の『じゆうさん』など都内の第一線で活躍する数多くの人気店を輩出しています。



経年変化により色あせた木材と金属を組み合わせた趣のあるテーブルや、花挿しなどの古美術品の数々、お客さんごとに異なる器…いつ訪問しても「渋さと洗練さ」の中庸をいく独特な店内空間の妙に圧倒されますね。
人気店につき今回も予約して訪問してきました。
『千寿 竹やぶ』で注文したもの
・蕎麦せんべい (サービス品)
・稚鮎の天ぷら ¥660
・千寿葱と鴨の相焼き ¥1690
・十割そば ¥1100
・蕎麦がき ¥1200
・塩プリン(サービス品)
蕎麦せんべい

蕎麦をそのまま揚げる一般的な「蕎麦せんべい」と異なり、「あられ」や「おかき」のような形状になっています。
内側は空洞になっておりザクザクとした噛み心地と塩気が良いですね。
稚鮎の天ぷら

ちょうど旬の稚鮎がメニューに入っていたので注文してみました。1人前二尾で著者のグループは二人前分注文しています。


成魚と異なる稚魚らしい締まった肉質に、臭みのない鮎の淡泊な風味。敢えて少し残したワタの苦みが大人な味わいを演出していますね。カリッとした頭からホワホワと柔らかな腹肉まで丸々堪能。
バジル塩と合わせるいうアイデアも面白く、バジルの清涼感が引き立っていました。
千寿葱と鴨の相焼き

「鴨が葱しょってやってきた」。使われているのは古くより足立区を中心に栽培されてきた江戸野菜の千住葱。
元々は上方から江戸に青葱として伝播してきたのですが、寒い江戸の気候では葱の青い部分が霜枯れしてしまうため、次第に白葱として白い部分が食されるようになり、さらに土寄せして根深葱として白い部分を伸ばす品種改良が施された歴史があります。

脂身つきのぷっくりとした鴨肉は弾力に富んでいる。ねっとりとした甘辛タレと辛味のない甘い白葱との相性も抜群だ。最後に卵黄に絡めれば至福の一刻。
十割そば

一枚ものの無垢の木材をくり抜いた器にて登場。この日の蕎麦は北海道産の北早生種でした。


切りムラのない長さ・太さも均等な整った端正な佇まい。蕎麦殻の黒いポツポツも見えますがいざ啜ってみるとザラザラした摩擦は少なめで、スルスルと滑らかな舌ざわり。
咀嚼すると少し臼歯に反発を覚えた後に歯切れていく感じでコシもあり。甘いフレッシュな蕎麦の風味が喉の奥から鼻孔へとフッと抜けていく。

卓上の藻塩がストレートな塩味(えんみ)よりも、ミネラルのうま味成分が前面に出ているタイプ。蕎麦にちょんと乗せてすすると、蕎麦の甘味がより引き立って乙なものだ。

お江戸の伝統を継ぐキリッとした濃いめのツユですが、鰹の芳醇な出汁が凝縮された濃さ。何度、蕎麦をたぐりツユに浸しても空きが来ない。
蕎麦がき

著者は師匠の柏『竹やぶ』に一度だけ訪問した事があるのですが、同店の「蕎麦がき」が美味しかったのを思い出して注文してみました。


グレー色の小籠包か中華まんのようなビジュアル。箸でつまむとぷるんとした感触が指先に伝わる。
タレにちょんと付けて食べると「芋餅」のようなネッチョリとした舌ざわりと、蕎麦自体の甘い風味が交互にやって来る。
塩プリン

一見すると普通のプリンなのですが、生地にもしっかりと塩が練りこまれています。
塩が入る事でプリン全体の味が引き締まりつつ、糖の甘味がより強調される感じ。甘さ控えめのビターなカラメルもいい仕事をしていましたよ。

蕎麦湯はそば粉が底に沈殿したドロドロなタイプ。しっかり濃厚なのが嬉しい。

同行者の田舎蕎麦も美味しそうでした!
あとがき
以上、『千寿 竹やぶ』でした!
蕎麦と一品料理のクオリティに、詫びた趣のある店内も相変わらず素敵で「この店好きだなぁ」と改めて再認識できました。
この店は強くオススメできますので是非お試しあれ!
メニュー表のギャラリー




お店の基本情報
🏠 住所・アクセス
- 住所:東京都足立区千住河原町7-12
- 最寄り駅:京成本線「千住大橋駅」徒歩約3分、東武スカイツリーライン「北千住駅」徒歩10〜12分
🕒 営業時間・定休日
- 平日(月・木・金・土・日)
- 昼 11:30~15:00(LO 14:15または14:30)
- 夜 17:00~21:00(LO 19:30〜20:30)
- 火曜:昼のみ営業
- 定休日:水曜日・第3木曜日(祝日は要確認)
- 注意事項:そばが売り切れ次第閉店、順番待ちで人数制限の可能性あり
💺 席数・設備・予約
- 席数:約22席、カウンター・テーブル席・個室あり
- 喫煙:店内禁煙(入口外に灰皿あり)
- 駐車場:あり(約3台)
- 予約:電話・公式サイトで可(4名以内)
- 支払い:クレジット・電子マネー不可
『千寿 竹やぶ』への行き方
京成本線の場合は千住大橋駅の東出口より下車。
目の前の国道4号線を北上し千住宮元町交差点で左折したところに店があります。
駅からの所要時間は徒歩で約3分ほど。
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