「静岡県で餃子」といえば、静岡県民を除いて十中八九の人が全国的にも有名な浜松餃子を連想するだろう。
…でも、東海道新幹線に乗った時を思い出して欲しい。新幹線が静岡県内を通過する際に東京方面から順に熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松と6つもの駅がある。新幹線に乗った多くの人が「静岡って東西に長いな」と自分自身の身をもって体感した事が必ずあるはず。
静岡って旧律令国制で駿河・遠江・伊豆の3国が合体した東西方向に広い県であり、食文化も東西で異なる場合があるんです。
静岡県西部の浜松餃子と比べると全国的な知名度は今一つながら、実は県東部エリアの沼津周辺には「沼津餃子」と呼ばれるご当地餃子が存在する。
沼津餃子の歴史は古く終戦間もないころに沼津駅周辺に屋台として始まったと言われています。沼津餃子は大まかに二系統あり「焼いて焦げめをつけてから茹でる」沼津ローカルな独特の調理方法による小籠包のような食感の餃子(中央亭、北口亭)と、「オーソドックスな焼餃子」(豊亭、高千穂)があります。

今回初回する沼津駅南口の『豊亭(ゆたかてい)』は後者の「オーソドックスな焼餃子」と「若鶏の唐揚げ」が二枚看板の地域から長年愛される老舗中華料理店。いかにも大衆店らしい趣きのある外観が既に良い感じ。
開店時刻ぴったりの17時に訪問して一番乗り。ただ直後から予約客やら飛び込み客で席があっという間に埋まり、入店できないお客さんが続出。確実に餃子を食べるなら事前予約が無難そうです。
『豊亭』で注文したもの
・餃子(1人前) ¥380 × 2
・若鳥の唐揚げ ¥1100
・瓶ビール(大) ¥700
・ホッピー ¥630
・壺漬け(つきだし)


餃子(2人前)


注文から15分ほどで到着。キツネ色の焼き目がなんとも美しいですね。

胡麻が入った自家製タレも一緒に提供されます。

タレにじっくり漬けて餃子を一口。焼き目がついた表側はパリッサクッとした軽やかな食感、写真を失念しましたがきめ細かなヒダがついた裏面は水分量を保っておりぷるんと柔らかな歯ざわり。表裏の正反対な食感の変化の幅に驚かされます。

皮は比較的薄め。餡は肉の粒度が細かく全体的にシャリシャリとした食感。ニンニクの辛味は殆ど感じず、代わりに刻んだキャベツの甘味が前面に出てくる優しい味わいです。
この優しい味に加えてサイズもやや小ぶりなので意外とペロリといけちゃいます。成人男性なら2人前でも余裕だと思います。

卓上調味料で酢胡椒を作ってみました。こちらとも相性良かったです。
若鳥の唐揚げ

『豊亭』名物の唐揚げ。店のお姉さまが大きな寸胴鍋を使って豪快に揚げてらっしゃいました。半身が1人前サイズです。


半身なのでケンタッキーでいうウイング(手羽)や、キール(胸)、ドラム(脚)といったおなじみの部位が一通り食べられます。
唐揚げそのものは薄味、唐揚げというよりイメージ的には揚げ鶏に近い。余分な調味料のノイズが入らない分、パリパリとした皮の食感とともに鶏の素材のうま味をストレートに味わう事ができます。ジューシーな脂とうま味の濃いモモ肉や、しっとりとしたむね肉、パリッとしててかみ締めるほどじんわり味がする手羽など各部位ごとの魅力を楽しみました。
ちなみに店のお姉さん曰く「唐揚げに餃子のタレつけても美味しい」とのことで試してみたところ絶品でしたよ。
あとがき
以上、『豊亭』でした!餃子と唐揚げをお供にお酒を楽しみつつ沼津らしいグルメを堪能できる優良店。
駅からも徒歩で6分程度と近いので観光での訪問にも最適です。ぜひお試しを。
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お店の基本情報
- 店名:豊亭
- 所在地:静岡県沼津市添地町135
- 電話番号:055-951-1775
- ジャンル:餃子・若鳥唐揚げ専門店
- 席数:18席(カウンター10席・テーブル8席)
- 駐車場:なし(近隣コインパーキング利用推奨)
営業時間・定休日
- 営業時間:17:00〜22:30(目安)
- 定休日:月曜日
その他特徴
- メニューは餃子・若鳥唐揚げ・野菜炒め・ニラレバ炒めなどに絞られています。
- 支払い方法は現金のみという情報があります。
- 駅から徒歩圏の位置にあり、訪問の際は売り切れや満席に注意を。
『豊亭』への行き方

JR沼津駅南口より下車。


外堀通りを渡って南側へ。駅近パーキング駐車場を目印に通りをさらに南に進みます。

少し進むと『豊亭』があります。駅からの所要時間は徒歩6分ほどです。

