ごま油だけで揚げた黒々とした天ぷらを甘辛いタレにたっぷりくぐらせた“昔ながらの江戸前天丼”
西日本出身の著者にとってはまさに異文化の料理。まるで未知の世界を知ろうと海外へ飛び出す若者のように私は毎度ワクワクしながらこの江戸から続く伝統的な料理を楽しんでいます。

先日、銀座の『天一』ご出身の某天ぷら屋で食事した際、大将に「どこの江戸前天丼がオススメか?」尋ねたところ教えてもらったのが浅草の『大黒家天麩羅』。
『大黒家天麩羅』は浅草仲見世通り近くに1887年(明治20年)に当初は蕎麦屋として創業し、明治時代の終わりころの1910年に天ぷら屋に転身。以来、一世紀の長きにわたり浅草寺の参拝者に天ぷらや天丼を提供しています。
…ちなみに余談ですが「浅草で天丼」といえば、雷門そばの『三定』は創業が江戸時代後期の1837年(天保8年)であり“日本で現存最古の天ぷら屋”と言われています、こちらは筆者は以前済み。
浅草は歴史ある江戸前天丼が数多く残る、江戸前天丼のメッカと言えるかもしれませんね。
『大黒家天麩羅』で注文したもの
・天丼(えび1・きす1・かき揚げ1) ¥2300
漬物付き。別注文でお吸い物を頼むこともできます。天丼は具のバリエーション違いで計3種ありました。
天丼(えび1・きす1・かき揚げ1)

12時ちょうどのピークタイムに訪問した事もあり、インバウンド関係の外国人観光客と日本人双方で賑わう店内。注文から10分ほどで到着です。
陶器製の丼で蓋が閉じた状態で提供されます。


パカッと蓋を開けると黒々とした天ぷらが顔をのぞかせる。大きな海老がド迫力で驚き。敢えて料理を隠して開けた瞬間を楽しませる丼ものならではの演出はいつも小粋だ。


まずは海老から。衣はサクサクではなくふっくらとしている。歯を立てるとしっとり感とした歯ざわりと共に衣の厚みで食べ応え抜群だ。衣の内側からプリンと弾力感に富んだ大海老。
タレは甘辛をベースとしつつも仄かなビター感を内包した大人な味わい。甘すぎないのでそれぞれの食材の個性がより引き立っている。

「きす」も厚い衣を纏っています。
白身魚らしい雑味のない淡泊な味わいにホロホロとした柔らかな食感が最高。

どーんと大きな「かき揚げ」。こちらは小海老が5つ入ってます。
先ほどの海老天といい「海老多めの天丼」ですね。プリプリしてて美味でした。

メニュー表上には記載されていませんが「ししとう」も入ってます。

最後は漬物で口の中をリフレッシュしてフィニッ~シュ!
ごま油香ばしい天丼を楽しめました。
あとがき
以上、『大黒家天麩羅』で昔ながらの王道の江戸前天丼を堪能。
米油などをブレンドしたサックリと軽い今風の天ぷらも良いですが、こういうオーセンティックなモノもやはり味わいがありますね!雷門や仲見世通り至近なので観光ついでにも最適です。
ぜひお試しを。
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お店の基本情報
基本情報
- 店名:大黒家天麩羅 本店
- 住所:東京都台東区浅草1-38-10
- 電話番号:03-3844-1111
- 創業:1887年(明治20年)
アクセス
- 最寄駅:
- 東京メトロ銀座線 浅草駅(1番出口) 徒歩約4〜5分
- 都営浅草線 浅草駅(A4出口) 徒歩約5〜6分
- 東武伊勢崎線 正面出口、つくばエクスプレス 浅草駅も利用可能
営業時間・定休日
- 定休日:なし(無休)
店内・設備・支払い方法
- 座席数:約100〜200席。食べログでは200席、別情報では100席との記載あり
- 個室:なし
- 禁煙・喫煙:全席禁煙(店舗や入口に喫煙スペースありとの記載も)
- 支払い方法:現金のみ(クレジットカード・電子マネー・QR決済などは不可)
大黒家天麩羅への行き方

地下鉄浅草駅より下車。

浅草仲見世商店街そばの伝法院通を少し西に歩きます。

『大黒家天麩羅』に到着。駅からの所要時間は徒歩約4~5分ほどでした。