【秋葉原『湘悦(しょうえつ)』】四川よりも辛い?湖南料理を食す

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しポイント
・四川よりも辛いとされるガチ中華「湖南料理」
・安くてボリューミー
・メニューが写真つきで知らない料理でも選びやすい

すすめのシチュエーション
・おひとり様で
・3~4人で中華宴会に

 今回紹介するのは2024年12月にオープンした『湘悦(しょうえつ)』。中華料理の中でも湖南料理(こなんりょうり)を提供してくれる中国人経営のガチ中華の店です。

…ん?湖南料理って何だよ?という話だと思うので少し説明していきますね。日本で「本場の中華料理」といえば四大中華(四川料理、広東料理、上海料理、北京料理)が一般的にイメージされる事が多い。

 ところが実は大陸の中国料理は地域ごとでより細分化され魯菜(山東料理)、川菜(四川料理)、粤菜(広東料理)、蘇菜(江蘇料理)、閩菜(福建料理)、湘菜(湖南料理)、徽菜(安徽料理)、浙菜(浙江料理)の八大料理(八大菜系)に区分されるのがメジャーです。

 日本で「上海料理」とされる料理は広義には「蘇菜(江蘇料理)」の一部であり、「北京料理」とされる料理は「魯菜(山東料理)」の一部に過ぎない。八大料理の枠にすら収まらない料理も多く、数千年におよぶ長い歴史と東西南北で気候が全く異なる国土、50を超える少数民族を抱える中国は料理も想像する以上に多様だったりします。

湖南省の位置

 八大料理の中で中国南部の湖南省を中心とした料理が湖南料理(湘菜)。

 中国料理では四川料理、貴州料理、湖南料理の3つが辛い料理として知られますが、実はこの中でいちばん辛いのが湖南料理。日本でメジャーな四川料理よりも辛いとされているのです。
 四川料理が唐辛子の辛さに花椒(ホワジャオ)などの痺れが伴う「麻辣(マーラー)」と評されるのに対し、湖南料理は酸っぱ辛い「酸辣(スァンラー)」と呼ばれ辛さの方向性が異なります。

 湖南料理の一例をいくつか挙げると、日本でもよく知られている「酸辣湯(スーラータン)」。実は酸辣湯って湖南料理なのです。あのヒリヒリする酸っぱ辛い味付けに湖南料理の特色を垣間見る事ができる。

 日本では台湾料理として認知されている「臭豆腐(シュウトウフ)」も元は湖南料理。臭豆腐の発祥地は湖南省の長沙で、台湾の臭豆腐は国共内戦後に海を渡って台湾にやってきた湖南出身の外省人(台湾が日本の敗戦後に中国国民党政府の統治下に入り、中国大陸から台湾へ移住してきた人々)の手によって台湾に定着した料理です。

 南北で気候が大きく異なる中国。南方では米を主食とし、北方では小麦を原料とする面(麺)が食される事を表す「南米北面」の言葉がありますが、まさに南方の湖南では米食とくに米粉(ビーフン)が盛んで名物となっています。

目次

『湘悦』で注文したもの

・晩酌セット ¥700
・自家製干し豆腐と燻製肉炒め ¥1380
・湖南風焼きビーフン ¥980

晩酌セット

 最初に目についたのは700円で「料理1品+飲み物1杯」、1300円で「料理2品+飲み物1杯」とお得な「晩酌セット」。

 麻婆豆腐や餃子といった定番の中華料理からフライドポテト、エビフライまであるのが凄い。700円の方をチョイスしました。

 選んだのは「トマトと玉子」。割とボリュームがあり2人で一皿でも良さそう。

 これはローカルな湖南料理ではなく大陸全土で食べられている定番家庭料理という趣きが強いですが。

 以前から疑問なのがシンプルに見える料理なのに大陸の人が作ると何故こんなにも美味しいのか?

 半熟玉子のジュクジュク感と調味料の塩っ気、トマトの甘味のバランスが秀逸。大きく肉厚なキクラゲがプチプチで美味でした。

 飲み物の方は生中をチョイス。キンキンに冷えててご機嫌です(笑)

自家製干し豆腐と燻製肉炒め

 おおっ!かなり本格的な湖南家庭料理を発見!

 「柴火香干(チャーフーシャンガン)」という薪火で燻製にした干し豆腐と、「臘肉(ラーロウ)」と呼ばれる燻製肉が使われています。ともに湖南地方で多用される食材。

 「干し豆腐」の方は水分が抜けててみちっとした食感とスモーキーな薫香感。スモークチーズに近い味でビールによく合う。一方の「燻製肉」の方は沖縄料理のミミガーに似たコリコリとした食感があります。

 その他の具材は人参、セロリ、ピーマン。刻んだ唐辛子が入っており辛さはありますが、豆鼓(トウチ)のまったりとしたまろやかさが中和してくれる感じで食べやすいです。

湖南風焼きビーフン

 〆に「焼きビーフン」を。ビーフンも湖南料理の代表的食材で、とりわけ湖南省の省都の長沙では朝食に汁ビーフンが好んで食されます。

 太麺でもっちりとした粘りと弾力感があります。こちらは辛さはなく醤油ベースの芳醇で濃厚な味付けで日本人の味覚にも合っている気がします。

 細切りの豚肉が何気に美味しいですね。

あとがき

 以上、『湘悦』でした!「湖南料理は激辛だ」と紹介しておきながら結果的にそこまで辛くない料理をチョイスしてしましました(笑)

 ですが、メニュー表を眺めていると酸っぱ辛い激辛料理「まるごと魚の頭と漬け唐辛子蒸し(剁椒鱼头)」や、清末期から中華民国初期の混乱期に湖南省に跋扈していた賊にルーツをもつ「豚レバーの湖南風炒め(土匪猪肝)」、湖南出身の毛沢東の好物だった「角煮(毛氏紅焼肉)」など、代表的な湖南料理は一通りそろってるように思います。

 日本でメジャーな四川料理や広東料理以外の知られざる本場の中国料理を味わいにぜひ訪問してみてくださいね。

メニュー表のギャラリー

お店の基本情報

項目内容
店名湘悦(ショウエツ)
ジャンル中華料理 / 湖南料理系を含む本格中華
住所東京都千代田区神田佐久間町4-14-1 ニューイワサキビル 1F
電話番号03-6240-9299
アクセス・JR秋葉原駅(昭和通り口または日比谷線側)から徒歩10分程度
・JR浅草橋駅西口から徒歩6分程度
・日比谷線 秋葉原駅から 徒歩8分程度
席数50席程度
定休日なし(無休)
支払い方法クレジットカード可(VISA, Master, JCB, AMEX 等)
電子マネー・QR決済も利用可(Suica, PASMO, iD, QUICPay, PayPay, Alipay, WeChat Pay 等)
テイクアウトアラカルトメニューでテイクアウト可

営業時間・休憩時間・ラストオーダー

曜日営業時間補足・ラストオーダーなど
月〜土 / 祝日 / 祝前日11:00 ~ 15:00
17:00 ~ 23:00
昼:料理 L.O. 14:30/ドリンク L.O. 14:30
夜:料理 L.O. 22:00/ドリンク L.O. 22:30
11:00 ~ 15:00

『湘悦』への行き方

 東京メトロ日比谷線の秋葉原駅の一番出口より下車。

 総武線の高架に沿って歩くと道沿いに『湘悦』があります。所要時間は徒歩約8分程度。

 浅草橋駅の西口から歩いてもほぼ同じ位の距離感でした。絶妙に秋葉原と浅草橋の中間地点にあるので、どちらから行っても多少歩く形になります。

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