端正な蕎麦と趣ある店内空間の調和@千歳烏山「東白庵 かりべ」

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千歳烏山「東白庵かりべ」の焼味噌

しポイント
・詫びた店内空間
・柏「竹やぶ」を継ぐ端正な蕎麦

すすめのシチュエーション
・おひとり様 or 少人数で
・蕎麦吞みに

千歳烏山「東白庵かりべ」の外観
千歳烏山「東白庵かりべ」の外観

 京王線の千歳烏山駅から徒歩5分ほどの手打ち蕎麦「東白庵 かりべ」。
 世田谷の閑静な住宅街の中という周辺環境もあって落ち着いた雰囲気の店だ。

柏「竹やぶ」の外観
柏「竹やぶ」の外観(2023年、著者撮影)

 苅部店主は千葉県柏の手賀沼湖畔の名店「竹やぶ」のご出身。
 「竹やぶ 六本木ヒルズ店」の店長を務めた後、2011年に独立して神楽坂に「かりべ」を開店。2019年に千歳烏山に移転。
 ミシュランガイド東京ではビブグルマンとして掲載実績があります。

 少し話が逸れるが、実は師匠の「竹やぶ」の阿部孝雄氏は手打ちの技術や、石臼による自家製粉など現代の蕎麦店のスタンダードを確立したパイオニアでもある。
 風流な店内空間づくり含め近年の蕎麦店のトレンドに多大な影響を与ており、同店からは神宮前「玉笑」、落合南長崎「手打蕎麦 じゆうさん」、亀有「吟八亭 やざ和」、千住大橋「千寿竹やぶ」など都内の数々の人気店を輩出。

 著者も柏の「竹やぶ」や他のお弟子さんの店を訪問済ですが、この系列はいずれもハイレベルな印象を受けている。
 同じく「竹やぶ」出身の「東白庵 かりべ」にも食べる前から大いに期待ができますね!

目次

「東白庵 かりべ」で注文したもの

・作 雅の智 純米吟醸(一合) ¥1540
・焼き味噌 ¥770
・蕎麦二種 ¥2090

作 雅の智 純米吟醸(一合)

千歳烏山「東白庵かりべ」の日本酒とお通し

 軽めに日本酒半合を注文しようと思ったら、
メニュー表に「女性お1人でお越しの方、半合でのご用意もございます。」との記載あり。

 著者の性別は男なので注文は自動的に1合(笑)

 バナナや白桃を彷彿とさせる淡い儚げな甘さとスッキリとした後味、米のうま味のマリアージュ。

千歳烏山「東白庵かりべ」の蕎麦味噌

 お通し~その①~「蕎麦味噌」。

 ほんのり青みの残ったフレッシュな蕎麦の実は、芳醇な香り伴うカリサクとしたクランチーな食感。
 粘性のあるカラメルのような甘味のある味噌とともに楽しんだ。

千歳烏山「東白庵かりべ」の蕎麦豆腐

 お通し~その②~「蕎麦豆腐」。

 固さや弾力感は胡麻豆腐と同じくらい。咀嚼するとすっきりとした蕎麦の香りが喉から鼻孔へとフッと抜けていきます。
 鰹出汁ベースのあっさりとしたタレとのバランスも良好。

 やはり師匠の「竹やぶ」と同じく、盛り付けた皿もいちいち詫びており雰囲気がありますね。

焼き味噌

千歳烏山「東白庵かりべ」の焼味噌

 熱した焼石に乗せられて登場♪

千歳烏山「東白庵かりべ」の焼味噌

 石と接している表面は焼き目が付いて香ばしくサクサク、対して内側はシットリとグラデーションのように変化する食感が印象的。

 塩味(えんみ)は控えめでナッツ類のようなマッタリした甘味と蕎麦の実のサクサク感。
 練りこまれた紫蘇や青葱、生姜の薬味の風味が彩りを添える。

 当然、日本酒との相性抜群でサクッと一合飲み干してしまいました(笑)

蕎麦二種

 こちらは蕎麦二種がセットに。

一枚目は固定で「せいろ蕎麦」、
二枚目は「田舎蕎麦」、「かけ蕎麦」、「小にしん蕎麦」から好きなものを選ぶシステム。

千歳烏山「東白庵かりべ」のせいろ

 まず「せいろ蕎麦」が到着!

千歳烏山「東白庵かりべ」のせいろ
千歳烏山「東白庵かりべ」のせいろ

 彩度高めの明るい色味の十割蕎麦。
 さすがに「竹やぶ」の系譜だけあって切りムラも一切なく整然と均整の取れた佇まいが美しい。

千歳烏山「東白庵かりべ」のせいろ

 一口すするとザラッとした摩擦係数のある蕎麦肌が舌先を擦り、飲みこむと喉の奥から清涼感と鮮度を両立した蕎麦の芳醇な香りが嗅覚をくすぐってくる。
 一見すると線が細いのですが、咀嚼すると最初に臼歯にミチッとしっかりした弾力を感じ、次の刹那スッと素直に歯切れしていく感じ。

千歳烏山「東白庵かりべ」のつゆ
千歳烏山「東白庵かりべ」の薬味

 ツユはキリッとしたカエシですが、塩分偏重ではなく鰹の甘味うま味を活かした濃さに感じられます。

 薬味の葱は二枚目の「かけ蕎麦」と共用。

千歳烏山「東白庵かりべ」のかけそば

 続いて二枚目「かけ蕎麦」。

千歳烏山「東白庵かりべ」のかけそば

 透き通った赤銅のような色合い。

 シャープで明瞭度の高い塩味でありながら、一方で鰹出汁の風味は端麗に、こざっぱりと飽きの来ない後味を両立。

 かけ蕎麦の特性上、熱により蕎麦がゆるっとした食感ですが、しなやかでスルスルと食べれてしまう感じ。

千歳烏山「東白庵かりべ」の蕎麦湯

 蕎麦湯は薄くもなく、さりとて濃過ぎずの中庸をいく感じ。

千歳烏山「東白庵かりべ」の蕎麦茶

 やはり渋くて且つ、どこかとぼけたような「ほどよい抜け感」のある素敵な器。

 最後は蕎麦茶でクールダウン。

あとがき

千歳烏山「東白庵かりべ」の店内

 以上、「東白庵 かりべ」でした!

 ちなみに内装で気が付いたのは「木材」だ。

 伐採後に直線に成型された角材ではなく、
大自然の中でくびれながら成長する、曲線を帯びた自然木を内装材として多用。
 どこか人里離れた山間にひっそりとある「詫びた庵」のような雰囲気。
 世田谷の住宅街ど真ん中に、こういう非日常的空間がある事自体が面白いですね。

 和の店内にアンティークな洋風の椅子を合わせるセンスも面白く、この辺りも柏の「竹やぶ」イズムを大いに継承している部分なのかなと思いました。
 蕎麦も、蕎麦前も、日本酒も、店内空間づくり…あと特筆すべきは明るい女将様の素敵な接客も素晴らしい店。ぜひお試しを

メニュー表のギャラリー

お店の基本情報

店舗情報

住所:東京都世田谷区粕谷4-23-19

電話番号:03-6879-8998

アクセス:京王線「千歳烏山駅」より徒歩約6分

座席数:24席(個室2室あり)

禁煙情報:全席禁煙

駐車場:なし(近隣にコインパーキングあり)

営業時間

  • 月・火・木・金・土
    • ランチ:11:30~14:30(L.O.14:30)
    • ディナー:17:30~21:00(L.O.21:00)
  • 日・祝日
    • 通し営業:11:30~21:00(L.O.21:00)
  • 定休日:水曜日(祝日の場合は営業)

お店の場所(Googleマップ)

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