
本日は秋葉原の「手打ち蕎麦切り 匠(たくみ)」蕎麦百名店にも2度選出されている人気店だ。
店主はキリッとした凛々しいツユが特徴的な神保町の名店「松翁」のご出身。
「松翁」は美食家でもある故・池波正太郎氏が足繁く通っていた事でも知られ、また同店からは神楽坂「蕎楽亭」、根津「鷹匠」、本郷「森の」などの人気店を輩出。
個人的に「松翁」は都内でもトップレベルに好きな蕎麦屋で、そのお弟子さん達も非常に安定感があります。
ゆえに「匠」にも自然と期待が持てますし、安心して訪問できます。
店の50mほど先に長岡生姜醤油ラーメンの元祖として知られる「青島食堂」の秋葉原店があり、平日にも関わらず30人近い恐ろしい行列が出来ていました。
ラーメンと蕎麦の人気格差が大きいと思いますが、「手打ち蕎麦切り 匠」は平和そのもの。開店の15分前着で余裕のポールポジションGET
すんなりと入店できました。
「「手打ち蕎麦切り 匠」で注文したもの
・麦夫婦 ¥1155
お店のご都合で撮影不可との事で本日はメニュー表の写真なし。
文章で説明すると、蕎麦はいずれも生粉打ち十割蕎麦の超本格派。
師匠の「松翁」さんと同じく「ざる」と「田舎」の相盛りが人気メニュー。
面白いのは手打ち麦のメニューがあり、
5~9月は冷麦、10月~4月は きしめんが期間限定で提供されます。
「ざる蕎麦」と「冷麦」の二種盛り「麦夫婦」を初夏先取りで注文してみました♪
麦夫婦

到着すると女将さまから「蕎麦が伸びやすいのでお早めに」と声掛けいただく。
職人として丹精込めた蕎麦を最大限美味しい状態で客に食べて欲しいという想いが感じて好感を抱いてしまう。

…それにしても、艶があり何と美しい蕎麦と冷麦。写真もそこそこに女将の忠告通りさっさと食べるとしよう。


切りムラもなく均質で整った細い蕎麦。
茨城・栃木の常陸秋蕎麦100%使用。つなぎも用いず手打ちしている。
摩擦係数の低いスルスルと滑らかな蕎麦肌だがしっかりとしたエッジ。咀嚼すると仄かな弾力を感じた刹那、ストッと歯切れしていく。
つなぎを使わない分、十割蕎麦って成形が難しいと言われますが、ボソボソ感が全くなく程よいコシも表現されてて完成度高いです。
蕎麦のピュアですっきりした後味の甘味が口中に広がっていく。
はぁぁ~美味しいわこの蕎麦(笑)


色白がなんとも美しい冷麦。麦夫婦というメニュー名でたとえるなら、気品のある奥方といった所だろうか?
ツルッとした表面に伸縮感とモッチリ感が印象的。「あれ?冷麦ってこんなに美味しかったか?」
自分の中の歴代の冷麦ランキングのトップがあっけなく更新されてしまった。

薬味は城葱、山葵、生姜。女将さまから「お好みで冷麦に生姜を」と説明。
おろしたてなのか生姜はツンとした辛味成分と豊かな薬味感。冷麦に大変よく合っていた。

ツユは鹿児島の枕崎産の本枯節を自家製削りしたものに、小豆島の生醤油、天然真昆布、天然日高昆布、冬菇(どんこ)を合わせてある。
師匠の「松翁」のツユに比べると塩味(えんみ)が抑えられてて昆布の比重が高い気がした。
上品な節由来の甘味と、それを引き締める醤油のキレ、昆布や椎茸のうま味が高次元にまとまっている。ツユも大変美味しい。


鉄瓶に入った蕎麦湯。濃度が高くザラザラした味わいで蕎麦湯に至るまで美味しかった。
あとがき
以上、「手打ち蕎麦切り 匠」でした!
洗練された蕎麦の完成度はもちろんのこと、
冷麦がこんなに美味しいのは目から鱗でした。
やはり「松翁」さんのお弟子さんは、いずれもハイレベルで地に足のついた蕎麦打ちをするし、絶対に外れないなと再認識しました。
夜のおつまみも充実していたので、次回は蕎麦好きな気の置けない知り合いと一緒に蕎麦前を楽しみたいと思います。
お店の基本情報
店舗基本情報
- 店名:手打ち蕎麦切り 匠(たくみ)
- 住所:〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町3-20-3 NINEビル 1F
- 電話番号:03-6240-9988
- アクセス:
- JR秋葉原駅 昭和通り口より徒歩5分
- 日比谷線 秋葉原駅 4番出口より徒歩4分
- 都営新宿線 岩本町駅 A4出口より徒歩5分