
本日ははるばる足立市場までやってきた!
千住大橋のたもと近く隅田川に隣接する足立市場は安土桃山時代に始まり、江戸時代には奥州・常陸方面へと続く街道の交通の要衝として発達。
江戸3大青物市場のひとつに数えられ幕府の御用市場にも指定されていた。
現在も水産物専門の市場として東京の北部や埼玉方面の食品流通の要として人々の食卓と生活を支えている。
一方で豊洲市場と築地市場の前身である日本橋魚河岸は江戸幕府の開闢(かいびゃく)後に開設されている。何気に足立市場の方が歴史が古かったりします。
某鮨屋の大将から足立市場の雰囲気の良さを聞いてて、食の情報発信をする者として一度行ってみたかったんですよね。


市場の横には日本を代表する俳人・松尾芭蕉像。じつはこの付近が『奥の細道』の最初の句が読まれた場所。
深川の自宅を出発した芭蕉は水路で千住まで移動した芭蕉はここで矢立ての句を詠み、みちのくの旅路へと歩を進めていくのです。

水産物専門に絞られているためか比較的コンパクトにまとまっている場内。体感的には地方の卸売市場よりも小ぢんまりとしています。
訪問日時は平日の9時前。競りの時間がとうに過ぎてるせいか喧噪感がなく、ゆったり静かな時間が流れています。

ターレットトラックがずらりと並んでいます。

一般の人も飲食棟はふつうに入場可能。
仕事を終えた市場関係者も利用するため朝から営業している店も多いです。

奥から2番目が今回のお目当て「とくだ屋」。
店主様が市場の仲買人でもあり、プロの目利きによる新鮮な魚介を朝からリーズナブルに楽しめる店なんです!
「とくだ屋」で注文したもの
・まぐろ希少部位丼 ¥2000
まぐろ希少部位丼

丼に大根の壷漬け、あら汁つき。


うわぁぁぁぁ!美しすぎます(驚愕)
マグロの脳天、頬肉、顎肉、喉肉の4種の希少部位モリモリ!

自家製のタレとお好みで山葵でいただく。
タレはほんのり甘いが少し薄口。
敢えて主役であるマグロを引き立たたせているよう感じられます。


まずは「脳天」から。ぱっと見はトロに似ていますが水分量が多く意外と淡泊な味わいです。
トロンと柔らかい肉質がたまらんですね!


続いて頬肉。甘い脂が乗っており大変美味しいですね!


顎肉は炙りになってます。
やはりよく筋肉が動く部位だからか、しっかりと歯ごたえのある固めの肉質に感じられます。
マグロの赤身のように濃い風味。

トリを務めるのは真っ赤な喉肉!
多少スジ張った部位ですが嚙み切れる範疇。
赤身ぽいビジュアルですが、赤身と脂身のバランスのよい味わいに感じます。
マグロ以外の具材はガリと玉子焼き。
玉子焼きは甘くないプレーンなタイプ。
ちなみにご飯は白米でややぬるめ。せっかく新鮮な魚がご飯の熱で温かくならない温度で程よいかなと思います。
あら汁

白ネギとワカメ入り。

大きな魚の骨が入ってます。骨の太さ的におそらくマグロかな?
骨の周りについた身肉をこそげとって食べる感じ。ほ可食部は少なくあくまで出汁取りが主という感じでした。
あっさりとした味噌に魚のグルタミン酸のうま味成分が溶けだしてて美味。
あとがき
以上、「とくだ屋」でした!
「捨てるところがない」と言われるほど頭から尾まで美味しく食べる事ができるマグロですが、
まさにその言葉通り。普段食べる事がない希少な部位を堪能し改めてマグロの魅力を再発見した気分です。
さすが店主様は仲買人だけあって食材の質が素晴らしく、近所だったらヘビロテしたくなる店でしたよ!
注意点が2点あり、ひとつ目は「とくだ屋」は人気店なので訪問時間が遅いと「希少部位丼」はじめ人気メニューが売り切れてしまう可能性あり。早めの時間帯の訪問が推奨です。
また足立市場はJR常磐線、東京メトロ千代田線の北千住駅、京成本線の千住大橋駅、東武伊勢崎線の牛田駅いずれの駅からも微妙に距離あり。
徒歩だとどの駅からでも10分ほど歩くのが少々ネック。
…ですが、美味しい海鮮が食べられるのみならず、東京都民の食を支える卸売市場の雰囲気も味わえて、まさに「一度で二度おいしい」を素で体感することができますよ!
ぜひお試しあれ!
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お店の基本情報
店名:市場めし とくだ屋
住所:東京都足立区千住橋戸町50 足立市場内
電話番号:03-3879-2805
月〜金:8:00〜15:00(L.O. 14:50)
土曜日:8:00〜15:00(L.O. 14:30)
定休日:日曜・祝日・市場休市日