4月3日、広尾に興味深いグルメバーガー店がオープンしたので伺ってみました。
お店の名前は「TEDDY BROWN(テディブラウン)」。
中目黒や恵比寿に展開する、あの焼肉の有名店「ビーフキッチン」の系列だそうです。
そういえば、都内で肉料理店系列のグルメバーガーといえば、五反田のハンバーグ&ステーキの有名店である「ミート矢澤」が手がける恵比寿「ブラッカウズ」を連想します。
「ブラッカウズ」のバーガーも超ハイクオリティでしたし、本業が肉関連の業種だとその経験が反映されてかパティが美味しくなるのは必然な気がします。

白亜の外壁に大きな窓から光が差し込む開放感ある店内。広尾の落ち着いた周辺環境にもマッチした、お洒落感漂う雰囲気ですね。
カウンター席と二人掛けのテーブル席という構成でした。
入口には足立区にある、東京屈指の焼肉店として知られる「スタミナ苑」の豊島氏から贈られた胡蝶蘭が飾られていました。
「スタミナ苑」と「ビーフキッチン」の焼肉の同業者同士の繋がりなのかもしれませんね。
「TEDDY BROWN」で注文したもの
・TB BURGER ¥1800
・コカ・コーラゼロ ¥550
コカ・コーラゼロ

何気ないが瓶のコカ・コーラなのが嬉しい。
「瓶のコーラがおいしく感じる理由」「瓶のコーラありがたいと思う心理」は瓶に懐かしさを感じるとともに、一説に瓶の口の狭さが炭酸のキレをよくするからだと言われてます。
TB BURGER

大きな鉄板でパティと目玉焼きを焼いて、注文から10分程度で到着。
上から構成はバンズ、照り焼きソース、目玉焼き、マヨネーズ、チェダーチーズ、パティ、グリルオニオン。
客に「目玉焼きを鑑賞してもらう」ため、
バンズのクラウンをわざと外した“半完成品状態”で提供される。

丸っこいパティの上に滑りやすいチーズ。
仕方ないことだが目玉焼きはやや収まりが悪く不安定で30秒ほどで滑り落ちてしまった。
親切にも店の方から目玉焼きを直しましょうか?と申し出をいただくが、完成後の料理を何度も触るのはよくないかなと個人的に思い丁重にお断りした。

包み紙に包んで手づかみ。指にずっしりと重量感を感じる。やや汁が多く包み紙を2枚重ねにした方がよいかも。
製造元不明のバンズは軽く炙られており豊かな薫香を漂わせてくる。表面はサクッ、内側にかけてはしっとりとした生地質を感じさせる。

チーズは熱が通っておりとろけ具合が最高。
脂で焼いたというパティは表面がカリッとしており他店にない仕上がりが特徴的。
個人的には広島お好み焼きの派生形で、ラードでカリカリに焼く「府中焼き」に似ている気がした。
黒毛和牛の赤身と脂身をバランスよく配合してハンドスマッシュ。
肉のゴロゴロとした固さも程よく残した野性味あふれるワイルドな食感。軟骨も少し入っているようで時折、コリッとしたアクセントも感じられる。
さすが「肉のプロ」焼肉店のプロデュースするパティだけあって、肉を使った多面的な演出の上手さは一級品といえよう。
敢えてレタスやトマトを入れない事で野菜の水分がノイズにならず、肉やチーズの風味がストレートに伝わってくるのが分かる。
玉ねぎは熱が通っており甘くトロトロ食感。パティとも非常によくマッチしている。
味の要であるテリヤキソースはフルーティ寄りの甘辛味、マヨネーズは粘度が少なく後味がサラリとしている。
ハンバーガーを頬張ると牛脂のうま味、テリヤキソースの甘辛味、チェダーチーズ、マヨネーズの酸味、卵黄のマッタリ感が渾然一体となって怒涛のように、一度に味覚を埋め尽くす。
まるで様々なジャンクな味を悪魔合体させたような「悪いハンバーガー」(誉め言葉)だ。

副菜にピクルスとフライドポテト。
フライドポテトは皮つきのフレンチフライとウェッジカットの相盛り。米油で揚げているらしく塩とバジルのシンプルな味付けながら香ばしく、さっくりと軽やかな食感が印象的である。
あとがき
以上、「TEDDY BROWN」でした!
訪問がちょうど開店から1か月の節目の日だったようで店頭には代表者の大矢氏が立っており、ご丁寧にお見送りまでいただいた。接客面も非常に好印象でした。
ところでハンバーガーチェーンのような安価なファーストフードではなく、こだわりの牛肉を使い店舗ごとに丁寧にクラフト(手作り)されたグルメバーガーが世に認知されて久しい。
東京都内には数多くの人気グルメバーガー店が割拠しているがバンズとパティのみならず、テリヤキソース・マヨネーズ・目玉焼きの化学反応と総合力で勝負してくる構成のハンバーガーは寡聞にして聞いたことがない。
この店、グルメバーガー界に面白い新風を吹き込んでくれるキーになるかもしれませんよ。